ぼくとくまのはなし(後編・後)

 今回で本当にしめくくり。前回は仲間のお話を書いていきましたけど、今回は今のところ最後に会った日の話と意外なところで出てきたB・Bの話などを書いていきましょう。
  
■鎌ケ谷での一日。

 オープン戦一杯は出演するが、以降はどこで出てくるかわからない……。

 確定している登場チャンスの中で、一言ありがとうって言いたいという、その気持ちがしっかりとしたものになっていたのですが、2018年のオープン戦日程を見ていて、ファイターズスタジアム鎌ケ谷で2試合、横浜DeNAベイスターズ戦が組まれていました。ここにB・Bが来るのかどうか、来ないのであれば札幌に飛ぶしかないかと割り切っていたのですが、ある程度のところで鎌ケ谷来訪決定。北に飛ばず、B・Bとの思い出もたくさんある鎌ケ谷でというのも、ある意味でめぐりあわせかもしれません。

 あとはレギュラーの放送のお休みをどうとるかだったんですけど、こっちのほうは最初から大変世話になったマスコットが関東にしばらく来なくなりそうなので、一日どうにかさせてほしいとお願いしていたところ、たまたま特番編成で放送自体がおやすみに。たまたまのめぐり合わせではあるのですが、そのめぐり合わせに感謝していました。
 
 
 前日土曜日の状況を聞きつつ、B・Bに会いに行くのが大きな目的ではあるけれど、朝練も撮りたい派ではあるので、始発移動を目論むものの、疲れからか何本かずれた形に。普段はあまり乗らない早朝の列車に乗り、ぼんやりと車窓を眺めつつ。体を休めておけばいいものの、なんとなく寝られずにいました。

 サヨナラじゃないんだし、いつもどおりにしないと。ただ、いつもどおりに出来るのか……。

 色々な思いが頭の中にめぐりながら、何本か電車を乗り継いで鎌ケ谷駅へ。タクシーに乗り込み球場に到着。カメラバッグがバッグだったので、色々勘違いされかけながら、ファームのときとは違う動線を確認しつつ、撮れそうなエリアへ。なかなか撮るチャンスのない本隊の選手たちがアップしているシーンを撮りながら遊び、お友達と合流。球場正面に移動して、彼らの登場を待ちます。
 
 
 球団事務所棟から登場したフレップ・ザ・フォックスとB・B。ふたりいることを活かし、別行動(フレップくんは寮側へ)でお客さんと触れ合っていたんですが、その様子をぼんやりと見つめていました。

 一軍のオープン戦ということもあって、入場待機列がエグいことになっていたんですけど、その待機のお客さんにお手振りで近づき、握手したり一緒に写真撮ったり。当たり前なんだけど、一切変わらない姿を見て、今日でこの姿を自分の目で見るのは、自分のカメラで撮るのはしばらくないということもあって、どう声をかけようかちょっと悩んでいたんですよね。

 そんななんとも言えない空気感に包まれていた私を尻目に、B・Bは本当にいつもどおり。お子さんと相対している直後にコチラを指差し、この人は頭外れる(ズラ)という、そんな動きを。こちらもB・Bの動きに合わせて「この人、ズラです……じゃなくって!」と、すっといつもどおりに。

 結局、色々と考えていたものはすべて吹っ飛び、いつもどおりの熊といつもどおりにいじられる人に。しばらく会えなくなるかもしれないけど、今生の別れではないですし、いつもどおりが一番だと思っていたものの、実際に相対するとどうしようかなって結構ドキドキしてたんですよ。それを察したのか察してないのか、いつもどおりすぎる対応に内心フフッと笑っていました。
 
 
 その後はもうオールスター戦とかと同じような勢いと言いましょうか、「いつもどおり」ではあるものの、撮りそびれのないように、残せるところは残しつつ。メインとしての動きはしっかりと新しいメイン、フレップ・ザ・フォックスその狐に引き継ぎ、自身はしばらく来ることのないであろう鎌ケ谷の空気感を堪能しているようにも見えました。

 普段のメインスタジアムとは違うけれど、ホームの球場。大好きな天然芝。空の見えるスタジアム……。色々な動きは規定の範囲内かもしれないけれど、なにかこう、一つ一つ噛み締めているようなそんな空気感をファインダー越しに感じていました。その感じた色々をとにかく残したかったんですよね。

 「みんなほんとにすごいんだよ」ってのB・Bの色々で知った人として、その「すごいんだよ」を大手メディアではないし、あくまでも個人的にですけど伝えてきた、一方的な感覚としての戦友として、B・Bの駆け抜けた足跡を関東から見ていた人として、しばらくないであろうシチュエーションを残して、伝えて行きたかったんです。

 上のチーム同士のオープン戦だったので、プレイヤー側でも撮りたい選手は多かったんですけど、今日はもう優先すべきはB・Bと試合中有のグリーティングもきっちり……と、試合中前半のグリーティングの時、たまたま周りにほとんど人がいない状態で向こうからやってくるなんてシーンが。しかも出会った直後にガガッと肩を掴んでなにかこう密談ぽい動きが……。
 
 
 何かと思えばその後に腹パンチ(のフリ)。
 
 
 相変わらず過ぎて、声を出して笑っていました。

■その日の最後のお話と伝えたコトバ。

 B・B、フレップ、カビー、DJチャス。、ぶそんくんが並ぶという姿をフィールドで見せ、おそらくこれはもう今後、この並びはないだろうなぁと言う姿などがありつつ、試合終了。終了後のグリーティングは多数のお客さんの合間を縫うようにB・Bが、カビーが、フレップが動くという、毎年のように鎌スタ祭の日に来ていたような、そんな雰囲気があり、懐かしくその姿を見ていました。

 そんな中でもB・Bを囲んでいるお客さんの数はさすがの数。ファンの中にはもう感極まってしまって、目が赤くなっている方もいらっしゃって、もらわないようにするのが結構大変で。そんなファンの方と相対しても、いつもどおりの姿を見せていたB・B。紳士な面、かっこいい面、アホな面、そのすべてをいつもどおりに、なんにも変わらず見せていたと思います。

 ちょっと面白かったところと言えば、ホームファン、ビジターファンともにB・Bを引退だと思っている方が結構多くて。そんな声をかけられるたびにアテンドのお兄さんとともに引退じゃないからと伝えていました。そういう方面から見ている人だと、B・Bのスタンスというのがわかるんですけど、そうでもない人にとっては引退だと思ってしまうのかな、なんて「見解の違い」をリアルに感じていました。

 いつもどおりの時間も終わりの時が。サヨナラじゃなくマタネの時間が訪れていきます。各々グリーティングを行っていた、フレップ、カビーも合流して、さんにんで締めくくりの集合写真。まわりを囲んでいたお客さんも、このシーンがこの先しばらくないであろうシーンであることを知っていたので、誰もがみんなとにかくシャッターを切っていた、そんな勢いがありました。
 
 
 そしてみんなの引き上げ。

 いつもどおりをいつもどおりにしていても、最後ぐらいはちゃんと伝えようと、過ぎゆくB・Bに声をかけ、「B・B、ありがとう」と。 
 
 もちろん、終わりの始まりなので、これからもどこかで会う可能性は高いと思いますし、タイミングが合えばこれからの活動であるみらい大志の姿を拝みに奇襲をかけていきたいんですけど、ひとまずはありがとうと。明らかにキャラではないけど、私が球団マスコットたちの動きを、プロの動きを楽しむきっかけになった熊には感謝を伝えたかったんですよね。

 ここまでズラ扱いだわ、腹パンチを食らわすような動きをするわと通常進行だったB・Bですけど、最後にハグをという。ガシッとやられて、最初にこんな感じでありがとうと伝えたのは2009年頃だったっけとか思い出したり、この背中を追ってきたんだよなぁって思ったら、ちょっとこみ上げてくるものが。

 すんでのところで堪え、いつもどおりに「またね!」で。

 自分自身の中では存在が本当に大きかった、212を背負ったその背中を見送っていました。
 
 
■その後のお話

 2018年のレギュラーシーズンが始まり、メインフィールドではフレップとポリーのふたりがファイターズガールのみなさんとともに。4月の東京ドーム開催でその姿を、ふたりでのスタイルを初めて見たんですけども、B・Bが後継にと任せたメインとしっかり者と評した女子のふたりですから、なんの問題もなく。Y.M.C.A.のキメシーンを見て、ちょっと寂しくは感じたんですけど、この形が標準になっていくんだろうなぁと思いながらシャッターを切っていました。

 フィールドでの様子以外でも、しっかりと遊びつつではあるんですが、色々な様子を見ていたんですけど、新メインとしての重責を担うのは彼だったんだろうなぁって、そんな雰囲気をひしひしと感じまして。3月にB・Bと一緒に動いていたときとまた違う雰囲気を見せていて、師匠から受け継いだものとともに彼の色がしっかりと塗られていて、なんかこうちょっとくるものがありました。
 
 
 実際に見た後継狐の動きとともにB・Bの影響力、存在感の大きさを感じたのはある別の競技を観戦していた日のこと。その競技にもスポーツマスコットがいて、いつものようにそのマスコットの姿を撮っていたんですけど、カメラバッグに付けてある謎の魚アクリルキーホルダーにそのキャラクターが反応してくれまして、実はNPBがメインフィールドで、NPB以外にもスポーツ・エンターテインメントを撮って喋って勝手に紹介してると、謎の魚ちゃんもいるマリーンズのマーくんとかリーンちゃん、ズーちゃんにファイターズのB・Bとかは……と、そんな話をしたらB・B知ってるの? と。

 知ってるも何も、B・Bのコラムのおかげでスポーツマスコットを注目するようになって、スポーツ・エンターテインメントを勝手に伝える人になったってのを説明したんですけど、どうやらそのスポーツマスコットもB・Bコラムを読んでたそうで。B・Bのコラムを隅々まで読んで、今に生かしていると言う話を聞いて、予想しないところでB・Bの凄さを、影響力の強さを感じる私。

 ひょんなことからぜんぜん違うフィールドでB・Bの話。業界の狭さとか、濃さを改めて感じつつ、あの熊の生き様ってのは、いろいろな人やキャラに影響を及ぼしているんだなぁと、ひしひしと感じる出来事でした。
 
 
■最後に。

 B・Bと面と向かうことは3/11の「またね」以降ないんですけども、写真や動画で見えてくる現在の姿は……メインマスコットの座を後進に譲っただけで、何ら変わっておらず。このあたりは北海道の生んだ偉大なミスター、鈴井貴之さんのように「生涯現役」で行くんだろうなぁと。いつの日か登場予定のおまつりに完全奇襲をかけて、いつもどおりにおいモヒカンと、いつもどおりにこの人ズラですってやられてみたいなと。

 あとは……一度でいいから腹を割って酒を飲みながらあれこれ話してみたいですよね。ただなぁ、B・Bは生涯現役を貫くと思うので、見果てぬ夢だとは思いますけども。
 
 
 ともあれ、終わりの始まり、新しい道が素敵な道であらんことを遠い空の下で祈ってます。

 これからも全力で突っ走っていってください。

 その姿をそっと、応援してますので。

投稿者プロフィール

オサナイ タカオ観戦撮影者/コミュニティFMパーソナリティ
自身の担当番組で話すネタにと野球場に足を運んでいたら、スタジアムを盛り上げているキャラたち、そしてチアたち、いわゆる球場エンターテイメント班のみんなの活躍に心奪われ、素敵で素晴らしいみんなの活躍を色々な人に伝えたいと写真とテキストで綴る「Radio TRICK -光画部-」を2006年7月19日からスタート。写真はTwitterやInstagramで、色々なテキストはこちらでというスタイルでお届けしていきます。
■現在の担当番組
FM HOT893 「Weekly Hotline」 パーソナリティ
FM HOT893 「Sunday Request Line」 レポーター
FM HOT893 「Now&Know」 パーソナリティ(代打)